大和川が府県境を抜け、河内平野に注ぎ込むその右岸に高井田横穴群は位置します。これまで162基の横穴が確認されています。これらは6世紀中頃から7世紀初めにかけて造られたものです。
高井田横穴群の存在をより全国に知らしめたのは線刻壁画の発見です。人物、木の葉、蓮華、樹木、馬、鳥、魚、船、家、琴、太陽、格子、鳥居・・・。27基の横穴にこれらの画題が描かれています。最も有名なのは「人物の窟」と呼ぶ3支群5号墳で、8人前後の人物が描かれています。ゴンドラ形の船に乗る人物は前後に漕ぎ手を従え、左手に持つ棒状のものを振りかざし、その左の人物は先端が反り上がった靴を履き、「美豆良(みずら)」状に髪を結っています。その下は女性でしょうか、ひだのあるスカート状の裳を身につけ、両手を広げて動きを表現しています。
貴重な文化遺産を幅広く市民に公開し、より多くの人々に親しみ、学んでいただけるよう充実した史跡公園として整備しました。横穴については、毎年5月と10月の第3土曜日に公開事業を実施しています。
丘や埴輪列を復元して約1600年前の当時の姿に整備し、古墳時代の歴史を体感できる場として生まれかわりました。バリアフリーに配慮したスロープで前方部の墳頂まで上がれるようになっています。
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教育庁 文化財保護課 文化財企画グループ
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