「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」 “虹色に輝く日本”をつくろう


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更新日:2019年4月2日

今なぜ「霞ヶ関解体」「地域主権」を訴えるのか。
「地方分権によってどうなるか、その中身が見えない」「教育や福祉、医療、年金、また外交や防衛とか、いろんな差し迫った問題があるのに、なぜ分権ばかり言うの」という疑問について、大阪府知事(当時)の考え方をお示しします。

提案資料(大阪府試案)

icon 「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」 (平成21年7月14日)
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icon 地域主権を確立するための推進体制 (平成21年7月14日)
   [PDFファイル/131KB] / [Wordファイル/77KB]

icon 「国と地方の協議の場」に係る組織・機能と工程表のイメージ (平成21年7月29日)
   [PDFファイル/124KB] / [Wordファイル/64KB]

icon 自治院での審査フロー (平成21年7月29日)
   [PDFファイル/24KB] / [Excelファイル/27KB]

「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」 “虹色に輝く日本”をつくろう

なぜ、「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」が必要か?

(1) 国家戦略の確立のために

私たちは、「国から権限をたくさん分捕って、もっと自由にやりたい」、「潤沢な財源を確保したい」という自分たちの都合のために、地域主権を主張しているのではありません。きちんとした国家戦略を打ち立てるために地域主権が必要だと考えています。

今の日本に一番欠けているのは、国家戦略です。戦後から高度経済成長期にかけて、霞ヶ関の大号令と戦略のもと、国民は「欧米に追いつけ追い越せ」で一丸になって走り続け、経済的豊かさを手に入れました。しかし、人口も経済も右肩上がりという時代は去り、国全体を閉塞感が覆い、国民の不安感が増しています。今こそ、国民に対して、将来への大きな展望を示すべきです。日本は、世界の中での大競争にどうやって打ち勝つのか。本格的な人口減少・少子高齢化を迎えて、この国の社会保障をどう組み立てるのか。こうした国の戦略、大きな方針を早く立てないと日本は沈没してしまいます。

今は、霞ヶ関の官僚が権限を持ち、地方の仕事の細部、それこそ、箸の上げ下げにまで口を出すことに時間と労力を費やしています。国会議員も、有権者から、「歩道を広げて」とか、「赤信号が長い」といった地域課題の要望や苦情を受け、その対応に忙殺されています。

しかし、この際、こういう仕組みを改め、霞ヶ関の官僚や大臣、国会議員といった優秀な中央政府のプレーヤーには、大局を読み、制度の根本を議論し、各分野の大方針を打ち立てることにその能力を注いでほしいのです。地域のことは地方自治体がしっかりやるから、中央政府は、日本の進むべき方向を見据えて舵をとり、国家の存立に関わる大きな戦略の確立に専念してもらいたい。私たちは、このことのために、勇気を持って国への依存を断ち切り、地域主権を実現する必要があると考えています。

(2) 「ニア・イズ・ベター」の原則を徹底

次に、住民からみた場合、地域主権の必要性は、「ニア・イズ・ベター」の原則を徹底できることです。

今、この国には、国と地方をあわせて、約800兆円を越える借金があります。もちろん、借金には必要なものもありますが、先進国の中でずば抜けて多い水準です。それは、今の仕組みでは、お金の本来の持ち主である住民から遠く離れたところで、「借金をしてでもやるか、借金をするならやめるか」ということを決めているからではないでしょうか。地方自治体の借金も、霞ヶ関が事実上の保証人です。そして、口を開けて待っていれば、借金を返す財源の大部分が国から回ってきます。誰でも自分のお金にはシビアですが、他人(=国)のお金だと思えば、やはり、もらわなければ損と考えてしまいます。返済の痛みを実感させないシステムが、どんどん借金を膨らませています。これでは、国民は、霞ヶ関の借金を返すために働く奴隷のようなものです。

地域主権を実現し、選挙で選ばれた地方自治体の首長の責任で借金をするということになれば、限られた財源の中、「あれか、これか」を厳しく選択し、地域に応じた工夫が働きます。そして何より、住民からの監視が行き届きます。遠い霞ヶ関ではなく、身近な地方自治体なら、使い道がおかしいと文句も言いやすいでしょう。無駄遣いへのコントロールも効きます。地域主権で、「ニア・イズ・ベター」の原則が徹底できます。

なぜ、今「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」だけが争点か?

<あらゆる改革の原点>

総選挙の争点は、本来、国が直面する様々な課題、外交・防衛・通商から雇用・医療・介護・教育と多岐にわたるべきものです。その中で、私たちが、「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」、この一点を争点とする理由は、このことが、我が国がこれから着手しなければならない、あらゆる改革のスタート、原点になると考えるからです。言い換えれば、ここを変えないと他の分野の改革は進まないと考えています。そして、この国の将来を大きく左右する今回の総選挙だからこそ、まずは、その原点を争点にすべきだと考えます。

外交・防衛・通商といった国家戦略を打ち立てなければ、国際的プレゼンスは低下の一途です。また、まもなく人口減少と少子高齢化が日本を覆いつくします。医療や介護、教育や雇用といった国民生活を支える制度のあちこちに綻びが生じ、もはや対症療法的な手直しでは立ち行かなくなってきています。すべては、国と地方がそれぞれ本来の役割を果たしていないという、日本の基本システムの問題です。

いくら能力の高いコンピュータでも、旧式で壊れかけていては、プログラミングをしてもいいソフトは生まれません。根源治療のためには、システムそのものの刷新が必要です。今ならまだ間に合います。様々な分野で戦略を打ち立て、改革を進めるため、まずは、日本を動かす基本システム自体を新しくする。この国のかたち、国と地方の役割を正常な姿にする。まずは、「霞ヶ関の解体」と「地域主権の実現」。そのために本気で闘うのか、今、私たちはその一点を問います。

このページの作成所属
政策企画部 企画室連携課 連携グループ

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