地域力再生に向けた地域の活動事例

更新日:2010年11月15日

ヒツジも活動メンバー

 
 

内田町町内会・ふるさとボランティアの会(和泉市)

◆内田町と松尾川内田町
   内田町では、秋祭りの地車があるためか青年団の活動が今も活発で、団を卒業後も30歳台、40歳台と年齢ごとにオービー会が結成されているなど、古くから住民のつながりがしっかりした地域です。
  この内田町を流れる松尾川は、「ふるさとの川整備事業」によって、公園と一体となった河川の整備が行われました。河川公園の横には、日本、中国を主とした東洋古美術の収蔵で有名な「和泉市久保惣記念美術館」があります。公園の木々が美術館の落ち着いた佇まいと調和し、階段護岸が水辺まで続くなど、周辺の景観と水辺が一体となった美しい河川公園ですが、かつてはゴミの不法投棄が多発するなど、河川敷の維持管理が問題となっていました。
  「何か対策を採らなければせっかく整備された公園が台無しになってしまう。」 そこで、自分たちの手で美しい松尾川の河川敷を維持していこうと、平成14年に大阪府のアドプト・リバー制度に登録し、活動を始めました。

◆活動メンバーにヒツジも加えよう
  除草作業は大変な作業ですから、広い河川敷では負担がかかります。ちょうどその頃、大阪府ではヒツジを使った河川敷の除草研究を行っており、実施団体を探していたのです。
  「除草作業は楽になるかもしれないが、世話が大変なのでは?」という心配がありましたが、「とりあえずやってみよう!」ということで始めました。ヒツジをメンバーに加えた活動は全国初のヒツジものでした。
  ヒツジが放し飼い区域の草を食べてくれるので除草は不要になりましたが、それだけではエサが足りないので別に与えています。エサや小屋掃除などの世話をしてくれるメンバーが来ると喜んで寄ってきます。
   ただ、動物が相手ですから世話には気をつけています。特に夏場はヒツジ達も小屋から外に出ようとしませんし、また、家畜伝染病の流行も気がかりです。
(ヒツジの毛刈り)⇒
◆アドプト・リバーから様々な活動へ
  ヒツジが活動に加わるようになって、活動に広がりが出てきました。
  新興住宅に住む若い親子や幼稚園・保育園の園児達が訪れ、古くからの住民との交流が深まることにより、町内会が活性化し、子ども会への入会も増えたと聞いています。
  春には、ヒツジの毛刈りや鯉のぼりを川にかける鯉流しを実施し、交流の輪はさらに深まっています。
  また、青年団の有志が公園のせせらぎを利用してホタルを育てており、6月にはイベントを開催して放虫しています。今年は千人もの方々に集まっていただき、大成功でした(集まりすぎて大変でしたが・・・)。
  現在、護岸の一部を工事していますが、それが完成すると下流まで遊歩道がつながります鯉ながしので、そこを利用したマラソン大会の開催を考えています。

◆さいごに
  活動にあたって大切なことは、まず活動を始めてみること、その活動を継続することです。地域には必ず人材がいます。活動を始め、それを継続していれば地域の方々が出てきて助けてくれます。
  平成19年には、国土交通大臣から「手づくり郷土賞」をいただきました。これも地域の皆さんの協力があったればこそだと思います。
  これからも、ヒツジ達とともに活動を継続し、地域の活性化に取り組んでまいります。  会長







(たくさんの鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます)





(ふるさとボランティアの会 田中会長) 

このページの作成所属
府民文化部 男女参画・府民協働課 

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