週末里親制度に関する一問一答

更新日:2022年9月30日

 週末里親 Q&A

週末里親事業は、児童養護施設等に入所中で、親や親族との面会や帰宅の機会の少ない子どもを対象に、週末や夏休み等に、ご家庭に迎え入れていただく事業です。

家庭生活を経験することによって、子どもたちが施設を出た後の自立を手助けすることを目的としています。

集団生活を送る子どもたちにとって、長期的に自分にだけ関心を持ってくれる大人の存在は、とても大きな心の励みになるものです。

週末里親になるための基本的な知識や心構えについて、Q&A形式でわかりやすく説明します。

(このウェブページは、家庭養護促進協会発行の「週末里親Q&A」をもとに、同協会の了解を得て、大阪府事業に応じた修正を加えた内容を掲載するものです。)

家庭のイメージ

Q1 週末里親とはどんなことをするのでしょうか。

A1 児童養護施設等には、週末や長期休暇の時に保護者のもとに帰宅できない子どもたちがいます。そうした子どもたちを対象に、週末(月1,2回)やお盆、正月(5日間程)の間に、ご家庭で一緒に過ごしていただくのが週末里親制度です。

限られた時間ですから無理をせず、肩の凝らない「ほどよい距離と関係」を保ち、長く続けていただけることが望ましいのです。

 

Q2 施設で楽しそうにしている子ども達に家庭の経験が必要なのはなぜですか。

A2 施設での生活には長所も多くありますが、同時に短所もあります。特に集団生活は、一人一人の子どもにじっくりかかわることが難しいため、個性に応じた生活が容易ではありません。家庭ではごく当たり前の食事や団らん、お手伝い、買い物などを知らずに過ごすことにもなります。子どもたちが成長し、将来自立するためには、こうした一般の家庭での経験がとても貴重なものなのです。

また、子どもにとって、自分に深い関心を寄せてくれる人との関係が、親と離れて暮らす寂しさを和らげ、精神的な安定をもたらすことにつながります。集団生活の短所を補いながら、子どもたちに生活力をつけさせるため、とお考えください。

 

Q3 どんな子どもが里親を必要としていますか

A3 18歳までの子どもで、事情も様々です。

対象の子どもには入所後に保護者と連絡が取れなくなったり、保護者が長期入院中であったり、一緒に暮らせる環境になかったり、様々な事情があります。また、発達につまずきのある子どもが、施設ではできにくい細やかな対応を必要としている場合や、(施設からの)自立前の1年から2年間、生活体験の幅を広げるために希望する場合があります。

 

Q4 子どもの年齢、性別など、希望は聞いてもらえますか。

A4 ご希望は参考としてお聞きします。しかし子どもの目的にかなった家庭環境を選ばせていただくことが最優先です。

できるだけ希望に沿いたいと思いますが子どもによって望ましい環境であるかどうかの判断が優先します。

子どもによっては少し年上の実子のいる家庭が望ましい場合もありますし、逆に里親を「独占」できる環境が望ましい場合もあります。子どもの年齢、性別、個性、成長過程に応じて、ふさわしい環境を総合的に判断させていただきます。

 

Q5 里親の住所に制限はありますか。

A5 施設から1時間以内であることが必要です。

ご自宅から施設までの所要時間が片道1時間以内であることを目安にしています。交通機関、手段に特に制限はありません。現在大阪府の所管している施設は乳児院が4、児童養護施設が25あります。

 

Q6 手続きの方法を教えてください。

A6 家庭養護促進協会を通じて行っています。

大阪府から委託により、申込の相談、受付け、面接、調査、手当の支払いなど事業の具体的な運営を、家庭養護促進協会が行っています。協会で説明を受けていただくことが最初のステップとなります。週末里親を引き受けるかどうかはご家族全員で決めていくことなので、よく話し合って合意を得てください。お申し込みの後、協会から家庭訪問させていただき、家族全員と面談し、週末里親を引き受けていただく際の注意点などを説明いたします。

家庭養護促進協会大阪事務所
      ホームページはこちら(外部サイト)

      
電話 06−6762−5239
      住所 大阪市天王寺区東高津町12−10

 

Q7 週末里親には手当が支給されると聞きました。

A7 平成20年度から、大阪府が里親への手当や交通費の一部を援助しています。

週末里親としての活動にかかる費用の一部を援助します。詳しくは、家庭養護促進協会へお問い合わせください。

 

Q8 子どもの病気、けが、事故などが不安です。

A8 けがや病気に対する医療費は全額負担されます。

里親子が安心して生活できるよう、里親活動中に起きる事態を補償することを目的に、府が保険契約を結んでいます。もし、事故、病気など予期しないことが起こった場合には、即座に施設にご連絡ください。治療に関しては医療費が負担されます。保険が下りる具体的なケースについては、研修会などで詳しくお話しします。

  

Q9 週末里親の役割について説明してください

A9 子どもの親になるのではありません。「おじさん」「おばさん」役といえます。

週末里親は養育里親や養子里親の前段階ではなく、養育里親や養子里親を求める場合は、その目的に沿った募集を別に行っています。それぞれ別の機能を持っていると考えてください。週末里親の対象となる子どもは、現在親や親族との関わりはないものの、実在はしていますので、週末里親は、自分だけのために定期的に会いに来てくれる「おじさん」「おばさん」役と言えます。しかし、週末里親を続ける中で、子どもとより深くかかわりたいとお考えになられた場合には、ご相談ください。

 

Q10 何かを買ってあげたり、お小遣いをあげてもいいのでしょうか。

A10 高価なプレゼントや多額のお小遣いは望ましくありません。

週末里親の目的は、普段の「家庭」を体験することであり、特別なプレゼントやお小遣いは必要ありません。せっかくいただいて帰っても施設で管理上の問題も生じます。できれば里親さんの家庭で使うもの、遊ぶものに限定していただければと思います。

 

Q11 慣れるにつれ、おねだりが多くなったりして困っています。

A11 気軽に施設の先生や協会に相談してください。ちょっとしたアドバイスでよくなる場合があります。

最初は緊張で“おりこうさん”を演じていても慣れてくるに従い甘えが出てきます。その甘えをどう受け止めていいのか、迷うことも多いかと思います。「この家の子になりたい」という子、緊張からおねしょの続く子。わがままで扱いかねる子。おねだりの激しい子。甘えたがりの子など様々です。時に応じてできることとできないことをはっきり伝えることが大切ですが判断に迷うときは、遠慮なく施設の先生や協会に相談してください。ほんの少し見方を変えたり、理解を深めたりするだけで、解決することが多くあります。

 

Q12 接するうちに子どもの事情が気になって仕方がありません。

A12 必要な情報は、施設や協会の話し合いでお知らせします。

里親さんが知りたいと望まれる子どもの事情、プライバシーについて、すべてをお知らせできるわけではありません。週末里親を引き受ける中で、必要な情報を話し合いの中でお伝えできればと考えています。またその情報、背景をなぜ知りたいのかを考えていただくことも必要です。

 

Q13 食事のマナーなどしつけが気になります。どこまで教えたらいいのでしょうか。

A13 里親としてできることには限界があります。長い目で接してください。

心配のあまり週末里親の家庭が厳しいしつけの場になってしまうのも子どもにとってはつらいことです。ゆっくりと時間かけてかかわる中で、改善を待つ気持ちが必要です。子育てと同様に長い目で見てください。

 

Q14  施設の先生と子どものことでゆっくり話したいのですが、忙しそうでつい遠慮してしまいます

A14  報告書を書いていただいています。それを基に里親と施設とのコミュニケーションを深めています。

子どものことを一番よく知っているのは施設の先生です。気になることや、連絡、相談したいことは、遠慮なく報告書に書いてください。協会も相談の窓口としてお役に立てればと考えています。一人一人の子どもにとって何が必要なのかを週末里親、施設、協会、子ども家庭センターが緊密な連絡を取り合いながら、進めていきたいと思います。

 

Q15 週末里親について勉強する機会はあるのですか。

A15 週末里親をしている人には研修と懇談会をそれぞれ年に1回ずつ開催しています。お気軽にご参加ください。

研修会の内容についてはその時々、参加者の要望に応じて変えていきます。週末里親を始められた方には、必ず出席していただきたいと思っています。

里親交流のイメージ

 

このページの作成所属
福祉部 子ども家庭局家庭支援課 育成グループ

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